水資源・環境学会理事 野村 克己
今年(H30)の8月に函館を旅行した際、足を伸ばして大沼国定公園に行きました。函館から函館本線に乗って約50分、雄大な駒ヶ岳の麓に広がる1,236haの大沼を中心とした約9,000haの自然豊かな公園です。当地は渡り鳥の飛来地としても知られ、ラムサール条約に登録(2012年7月)されており、冬季には白鳥などが渡って来ます。もよりの駅は大沼公園駅。すぐ目の前に公園エリアが広がり、道中の疲れがいっぺんに吹き飛びました。
函館・大沼の地図 http://onumakouen.com/access/
大沼から駒ヶ岳を望む
今年の夏は記録的な猛暑。北海道はさぞかし涼しいだろうとでかけた現地は、期待を裏切りじりじりと肌を刺す日差しと、うだるような暑さ。車輌はクーラーもなく、天井を扇風機がうなりながら回る車内は蒸し風呂で、妙に懐かしい体験でした。
さて、大沼に行った最大の目的は、当学会誌30巻1号に投稿させていただいた、通称「エコバス」と私が総称する、移動環境教育車(船)の現地での運行状況の確認と、ご担当の方に直接お会いすることでした。
学会誌に記載しましたとおり、世界では環境教育に必要な機材やスタッフを専門の機関が常備し、学校等がこれを借りて環境教育を行なう、「エコバス」によるフィールドワークが盛んです。しかし、船を使った環境教育の事例は多くありません。逆に言えば貴重な存在です。
当大沼では「大沼合同遊船」という観光船運航会社がその環境教育を担っています。「環境はカネにならない」と敬遠されそうですが、どっこい、事業の中にきちんと位置づけられており、それだけ「商売」としても成り立っており、そのご努力に敬服しました。
当大沼では「大沼合同遊船」という観光船運航会社がその環境教育を担っています。「環境はカネにならない」と敬遠されそうですが、どっこい、事業の中にきちんと位置づけられており、それだけ「商売」としても成り立っており、そのご努力に敬服しました。
環境教育に利用する船は、普段は一般の観光客が乗船しますが、必要なときには船の椅子を固定している止め金具を外して、必要な機材を備えるなどの調整をスタッフがされるようです。
現地のスタッフさんはお忙しくされていましたが、会ってお話を聞くこともできました。様々な団体からの利用申込みにも積み上げたノウハウで対応されている様子が感じられました。
水生植物が豊富な沼を、レンタル自転車でのんびりと一周しながら自然を満喫するアクティビティもあり、四季それぞれの楽しみや学習ができるようです。
ただし、ご承知のとおり、大沼を訪れた1か月後に北海道を襲った地震により、多数の犠牲者が出ました。また、ニュース番組で函館市内がみるみるブラックアウトする光景が全国に報道されました。復興は観光から!皆様も函館まで自然と海の幸を味わいに訪れてはいかがでしょうか?
ただし、ご承知のとおり、大沼を訪れた1か月後に北海道を襲った地震により、多数の犠牲者が出ました。また、ニュース番組で函館市内がみるみるブラックアウトする光景が全国に報道されました。復興は観光から!皆様も函館まで自然と海の幸を味わいに訪れてはいかがでしょうか?