モーリシャスという島嶼環境の水利用と社会形成史―スコットランドとの比較的視点を添えて

山元 周吾(本学会会員/喜代七屋) インド洋の中央に浮かぶ小さな島国、モーリシャス。アフリカ大陸の東およそ900km、マダガスカルのさらに東に位置し、面積は約1,865平方キロメートルと沖縄県とほぼ同じ大きさです。人口 […]
琵琶湖の水の視点から

平山 奈央子(滋賀県立大学) 2025年10月末、プライベート小旅行で琵琶湖疏水クルーズに行ってきました。琵琶湖疏水は琵琶湖の水を京都に送るための人工的な水路で、「第1疏水」「第2疏水」「疏水分線」などの運河で構成され […]
酷暑の夏に気候フィクションを読む。そしてソーラーパンク、水車パンクへ。

高橋 卓也(滋賀県立大学) 2025年の夏はこれまで130年の間で最も暑い夏となった。2025年9月2日の朝日新聞は、「最も暑かった夏 6~8月気温平年より2.36度高く」と1面で報じた。そうした中、気候変動をテーマと […]
スコットランド紀行文 2025 ―グランピアン地方の産業発展と河川の役割

山元 周吾(本学会会員/喜代七屋) 昨年に続き、今年もスコットランドを訪れる機会を得ました。前回の旅では、ロバート・オーウェンが理想社会の実験場を築いたニューラナークを中心に、クライド川流域の産業革命期の発展や社会思想 […]
水と人と町の今昔(5)-琵琶湖疏水計画への伏流-

若井 郁次郎(モスクワ州国立大学 講師) 日本一の琵琶湖を車窓から楽しむ 日本列島の地図を広げると、本州の中央部は、逆L字形に折れ曲がっています。この屈曲点に琵琶湖があります。琵琶湖の大きさを理科年表で見ると、面積は6 […]
戦前水著作シリーズ(1)
仲上健一(立命館大学名誉教授) はじめに 水資源・環境研究を志した大学院生の頃、古本屋に行けば必ず戦前の水に関する本を求めていた。最先端の土木工学分野の水研究を目指す研究者が、何故か古き名著に惹かれていた。喜寿を過ぎれば […]
貞山運河-成熟と喪失そして再生へ-

秋山道雄(滋賀県立大学・名誉教授) 仙台市の中心は宮城県庁や仙台市役所が立地しているJR仙台駅の西側である。駅の東側は駅周辺から市街地化が進んでいるが、少し先には田園地帯が広がっている。人口100万人をこえる大都市でこ […]
「暑い町」多治見市における環境用水

松 優男(内外エンジニアリング株式会社) 岐阜県多治見市は古くから美濃焼の産地として知られているが、2007(平成19)年8月16日に当時の日本国内の最高気温である40.9℃を観測しており、「暑い町」としても知られてい […]
日本初の都市型上水道か? -福井県福井市・芝原上水-

吉岡 泰亮(立命館大学) みなさまは「水道」という言葉が日本に生まれたのはいつだと思いますでしょうか。諸説ありますが、1つの説として、天正18(1590)年、徳川家康が建設を命じて、のちに「神田上水」と呼ばれるようにな […]
水に溺れる大草原の国~モンゴルの水問題~

奥田進一(拓殖大学教授) 私とモンゴル国との関わりは、1999年に始まる。翌年に、中国内モンゴルで知己を得たモンゴル族の友人が起ち上げた植林NGOに理事として参画し、後にこれをNPO法人化して、大学生を主とする多くの人 […]